Bridges London 2006 BRIDGE Mathematical Connections in Art, Music, and Science |
2006年 8月4日〜8月9日 於ロンドン大学 Institute of Education, Knowledge Lab University of London |
第9回ブリッジズに参加しました。昨年に続き2回目の参加です。ブリッジズとは、数学と 音楽、芸術、建築、文化を結ぶ国際会議で、各分野の専門家が集まり、新しい考え方や作品を発表しあう場です。今年はイギリスのロンドンで行われました。世界中から数学者や アーチスト、建築家など210名が参加し、大英博物館近くにあるロンドン大学の施設、教育研究所とノリッジ・ラボで6日間にわたり繰り広げられた発表、展示、討論、ワークショップの数々は大変興味深いものでした。 この会議の発案者でありオーガナイザーのリーサ・サランギ教授は、シェイクスピアの国イギリス、あらゆる文化のメッカであるロンドンでブリッジズが開かれることは大変意義あることです」と力強く開会の言葉を述べました。8年前、第一回のブリッジズがカンザスで開かれた時参加した、ロンドン大学のジョン・シャープ博士が今回の主催者です。 6日間の日程のうち会議が3日間あり、本会議での発表(各45分)が8つ、午後の分科会での発表(各30分)が各教室に分かれて行われ、それが全部で80あまりという充実した会議です。弊社で取り扱っているゾムツールを使った発表も今年はたくさん見られました。また、ワークショップも行われ、各国の数学教育者が積極的に参加していました。最終日の9日はファミリーディということで、一般公開し、ゾムツールの120胞体を作るワークショップを始め、6つの公開講義と5つのワークショップが開かれました。7日の夜はやはり一般公開のミュージカル・イブニングで、数学と音楽という観点から、コンサートと講義が行われました。 また今回は開催地がロンドンということで、多くの数学とアートに関連した文化遺産を 見学する為のバス旅行も2回組み込まれ、ケンブリッジ大学を訪れたり、郊外にある ソールズベリー大聖堂や、彫刻公園を訪れるなど、大変盛りだくさんの日程でした。 ブリッジズは毎年開かれますが、今年は大学生の息子と高校生の娘を伴い、4日から9日までフルに参加しました。10日の帰国日は、テロの計画が発覚した日で、ほとんどのヒースロー発着便がキャンセルされる中、幸い日本行きの2便だけは運行し、透明のビニール袋にお財布とパスポートだけ入れて搭乗するという心細い旅となりましたが、無事帰国しました。以下、ブリッジスの様子をお知らせいたします。
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全員にお茶が行き渡ったか どうか気を配られる教授夫人 と、ブリッジズのメンバー。 |
ケンブリッジ大学を案内してくださったのは、卒業生でUCSDのヒギンズ名誉教授。広大なご自宅の庭で、お茶をごちそうになりました。初めて食べる「本場物」のキューカンバー・サンドイッチに感激! 書斎に飾ってある、ピアノ線で正確に作った多面体のコレクションを説明してくださった。ヒギンズ先生は、多面体の構成モデル、ロンボーの作者。 |
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8月6日、「ゾム・ジオメトリー」の著者でもあるジョージ・ハート氏の発表はスカルプチャー・パズル。 彼は、毎年行うアドバンスの数学キャンプで、学生達用に立体パズルを製作しています。15人から30人がかりで組み立てる面白さを語ってくれました。紙を使ったワークショップもいつもながら興味深く、9日には出来上がった作品を大事そうに持ち帰る参加者が見られました。。 |
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ゾムツールに関する発表のひとつ、vZomeの作者、スコット・ボルトマンとデビッド・リヒター 助教授。手前に600胞体を掲げているのは、ゾム製作の達人、ダン・ダディー。彼は現在ニューヨークの大学生ですが、高校の頃、ブリッジズの参加者のような先生がいたらよかったとのにと言っていました。 |
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8日は、ソールズベリーの大聖堂内の多面体を見学。それは、サー&レディ トーマス・ゴージズのお墓のモニュメントのキャノピーを飾っていました。17世紀に、人は何故多面体をお墓に祀ったのでしょうか。 詳しい写真は、こちらのサイトをご覧ください。 左の写真は、リヌス・ローロフ夫妻と宮崎興二先生。宮崎先生は、世界中の数学者から、「コージ、コージ」 と引っ張りだこでした。 |
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まずは棒キャンデー作りから。小さな部品を分担して作ります。 |
さて、9日のファミリーディでは ノリッジ・ラボでゾムの120胞体 作りのワークショップ。延べ60 人くらいの人が参加し、午後1時から始めました。別室では、タワー作りに挑戦しています。 |
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小さなパーツを組合わせて、だんだん大きなパーツが出来上がっていきます。陣頭指揮をとるのは、ゾムツール社のポール・ヒルデブラント社長とデビット・リヒター助教授。 一つ一つのパーツは、規則性を持つため、こどもでも組み立てることができます。メイン会場からラッセル・スクエアをはさんで10分ほどのラボには、ひっきりなしに人が来て、パーツ作りに参加していきます。 写真左は、主催者のサランギ教授。 |
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5時間後、いよいよキャッピング。 てっぺんを接続します。直径2m余 ゾムツールは、凍れる音楽だ、と言ったのは、マーク・ペレティエですが、もしそうだとすると、一つ一つのストラットとノードがおたまじゃくしということになりますね。そういえば、最初に作った棒キャンディーは、似ているかな?それにしても、巨大なモデルが完成しました。 |
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完成した120胞体モデルは、ロンドンの科学博物館に展示されることになるかもしれません。 金属製のゾムツール彫刻 が、ここロンドン大学の ノリッジ・ラボに常設される ことになりました。 大満足のワークショップでした。 |
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ワークショップで製作した120胞体が ロンドンのサイエンスミュージアムの新しい数学コーナーに展示されることになりました デビッド・リヒター(集合写真の一番左)によるワークショップの写真集は、こちら |