折り紙の可能性
− 折り紙を使って自分を表現してみよう −

ワークショップ by 青柳祥子先生



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8日(土)、静岡自然を学ぶ会主催のワークショップ、創作折り紙作家、青柳祥子先生の「折り紙の可能性」に参加しました。実は私、折り紙は大の苦手。難しい折り紙かなという不安が半ば。しかし、「折り紙を使って自分を表現してみよう」という副題と、持ち物の、「ハサミ、のり、フェルトペン、好きな絵やデザイン」というところに引かれて、半分わくわく気分もつのり、参加しました。スタッフの角田と山本も、おそるおそる参加。新しく取り組み始めたi-Gamiが、日本の折り紙に触発されたという点からも、我々ももっと折り紙のことを知らなくては、という気持ちもありました。何しろ、池上理恵さん率いる「静岡自然を学ぶ会」の人たちは、あらゆることに徹底的な探究心を向け、それを20年も続けてこられたという、私達の会社のモットー「自然・本物・科学」の元祖のような会なのです。参加しなければバチがあたるというものです。

不安半ばの会でしたが、これが本当に楽しかった!あっという間に3時間半が経ってしまいました。青柳先生は、ご自分の折り紙との関わりや、折り紙の歴史について話された後、いくつか、お話をしながら作品を紹介されましたが、その楽しさとユニークな折り紙の作品に、まず私達は魅了されました。それから、簡単なお魚を教えてくださり、その魚を使って各グループで自己紹介をすることになりました。すると、私達の思いがその自由に作るお魚に乗り移り、40人の参加者が一斉におしゃべりな魚になって喋りだし、大いに盛りあがりました。


青柳先生は、
1998年にシドニーに住み始めてから折り紙を勉強され、シドニーの小学校等で教えてこられました。今回は、ワークショップだけでなく、江戸時代から伝わる連鶴のようなすばらしい作品を再現して展示もしてくださいました。その優れたクラフト性と格調の高さに思わず歓声があがります。詩を折り紙で表現した作品も展示され、そのユニークさにも驚きました。
             


お話の中で興味深かったのは、折り紙が決して日本だけの文化ではないこと。例えば、西欧にはナプキンの折り方などの歴史や文化があり、そこからも折り紙アートが生まれているのだそうです。英国の折り紙学会では、数学の先生の会員が多く、男性がほとんどなのだそうです。折り紙には、アートの部分、伝承文化の部分、幾何学的な部分、色々な面があるのですね。こんなに豊かで素晴らしい文化が、日本では大正時代の一時期、政府によって学校で全面的に禁止された、「折り紙の暗黒時代」があったのだそうです。その理由は、アメリカがやっていないから、というのですから、驚きですね。

             
左の作品は、スペインのカルロスさんのペンギン。とてもリアルで、感じが出ていますね。


右の作品は、フェアリーペンギン。これも可愛くて、見ていてあきません。おしゃべりしながら歩いてくるペンギンの集団です。黒いのは先生が、他は会員の方が折って来てくださいました。

左の写真は、青柳先生が「折り紙の木」と名づけていらっしゃる作品(考案者は日本折紙協会理事 大橋皓也先生とのこと)で、折り紙の基本形を示しているそうです。アイガミの基本形である、イチガミもありますね。この基本形をマスターすれば、色々な応用ができるのだそうです。イメージが広がってきませんか?

私達は、ハワイ生まれの日系三世、ケネス・カワムラさんという方の作品、バタフライボールに挑戦することになりました。蝶々の形に折った12枚を組み合わせて、幾何学形が出来上がるのです。各グループでの共同作業。皆神妙に組み立てていきます。このバタフライボールは、メッセージを書いたり、キャンディーを入れてパーティなどで打ち上げると、空中分解して中身が落ちてきます。今回は、アメリカ製の特殊なカラフルな紙を材料として用意してくださいましたが、厚めの画用紙でも作れるそうです。

バタフライの組み方を説明する祥子先生と、神妙に挑戦する、角田と山本


出来あがったバタフライボール。ちょっとぶかぶかしているのは、私の性格を現していると思います。

プラントイの5333ロジカルブロックも、これと同じ多面体です。正方形が6個と正三角形が8個の面を持つ多面体です。

下の画像は、プラントイのロジカルブロックの組み立て例です。

ロジカルブロックは、天然ゴム製で、1辺が4cmの多面体ブロックが3個入っています。(税抜き4000円)

                      
プラントイのロジカルブロック



右は、バタフライボールのふたの部分を外して、飴をいれたところ。祥子先生は、このバタフライボールを
2個、白い紙で作って重ね、雪だるまを作ってくださいました。そして空中分解させて、「はい、溶けました!」アッと驚く仕掛けですね! 


このバタフライボールの折り方の説明もユニークでした。人体折り紙です。

全員立ち上がって、三角折りの形を体現します。まず、右手で左足の先を触ります。次に、左手で右足の先を触ります。それから、イナバウアー。これで、折り方を忘れません。教え方も本当にユニークでした。そして、何よりも楽しい。知らず知らずに、折り紙の楽しい豊かな世界に誘われていました。折り紙の感性が開放されたという印象です。創作折り紙って、こういう状態で生まれるものでしょうか。私の場合、今までは折り紙というと何となく心が閉ざされた状態で、ひたすら折順をまちがわないように、「こう折って、こう折って・・・」と、失敗しないようにびくびくしながら取り組むという感じでした。だから、子ども達と一緒に折り紙をしたこともありませんでした。今回のワークショップに参加して、折り紙の世界が広がりました。初めて、楽しい折り紙を体験した気がします。素晴らしいワークショップをありがとうございました。

皆様も是非青柳祥子先生の世界をご覧になってください。
                  http://shoko-origami.jp-au.com/