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アメリカン・インターナショナル・トイ・フェア
in N.Y.
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報告 前畑 典子 |
今年のアメリカン・トイ・フェアは、2月17日から20日までの4日間行われ、私達は17日と18日の2日間のみ参加しました。16日に日本を発ち、19日にはもうニューヨークを出発するという短い旅でしたが、トイ・フェアの様子と、ニューヨークの雰囲気をお伝えします。
ニューヨークで毎年開かれるアメリカン・インターナショナル・トイ・フェアは、ダウンタウンのジャビッツ・センターで開かれます。
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94カ国から約35000人の参加者が見込まれるこのトイフェアの特長は、参加者の多くが小売店さんだということです。
アマゾンなど大手のバイヤーももちろん来場していますが、レベル1とレベル2に展示される約1300社のブースで商品を吟味し、発注もしながら回っている小売店の店主さんの多いことが、他のトイフェアとは異なる風景です。商品の詳細に関する関心も高く質問も細かいところまで及びます。
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会場の雰囲気はアメリカらしく陽気で、お祭りのよう。
ただし、入場のチェックは厳しく、18歳未満や子連れは入れません。
今年のテーマは、Inspiring Growth.
アメリカ玩具協会のトレンド・スペシャリスト、レイン・ライスさんによると、アメリカ市場の今年の特徴は、電子機器やタイム・トラベルなどの最新の機能を持つ玩具の人気が高い一方で、学習や教育効果のある商品や、グリーンな素材を使用した玩具に人気が集まるなど、安全性の意識が高まったことも今年の傾向だそうです。
また、オンラインとオフラインの両方で遊べる玩具が出てきて、注目を集めています。
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サステイナブルな素材、グリーン・トイ
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25年前から、環境破壊を考慮して、植林したゴムの木の廃材を再利用した木製玩具を作り続けてきたプラントイは、今年ニューヨークで大変注目されていました。
初日から小売店さんが多数訪れる中、マスコミの取材が相次いでブースは大変な賑わい。取材の中には、NHKの有働由美子さんや、アメリカのABCニュース、FOXテレビ、AP通信などがあり、環境問題やグリーンな素材が注目されていることがよく分かります。
プラントイのブースは、今年は昨年より広く、開放感溢れるレイアウトです。隣のラーニングカーブ社が高いパネルで囲んでいるのと対象的でした。
プラントイブース様子は、NHKのBSニュースで放映されました。
昨年来問題になっている玩具の安全性をめぐって、社会の関心は、安全性と無添加、環境に配慮していることに集中しているようです。ANSIでは、2月の22日から新しい安全基準要綱に関する公開レビューを行い、コメントを収集しています。その結果をアメリカ玩具協会の理事会に報告し、新たな基準が定められるようです。
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アメリカの小売店様向けの棚割りも展示しているプラントイのブース。
プランシティ、新しいプルトイなどが人気でした。
アメリカでは、アース・ディに向けて、サボテンバランスゲームのコンテストが企画され、小売店さん向けにコンテストやウィンド・ディスプレイ用のキットを用意していました。
日本でも今後このようなイベントを企画していくそうです。
サボテンのコンテスト用キットは、通常28ピースのパーツが50ピース入っており、こどもたちがそのパーツをいくつサボテンの茎に挿すことが出来るかを競います。また、各店舗でウィンドウ・ディスプレイに工夫を凝らし、全米でそのコンテストも行い、アース・ディに向けてのメッセージ・カードも全米で発信します。
アメリカでは環境への関心が特に高まった傾向が今年は見られましたが、ヨーロッパのバイヤーから、アメリカでは、紙コップや紙皿類は使い放題だし、ニューヨークのホテルは暖房のセントラル・ヒーティング全開で、窓などに保温の装置もなく、エネルギーの消費は信じ難い、という意見も聞きました。中国と並んで大量の温室効果ガスを排出しているというアメリカのグリーン運動は、まだこれからかもしれません。
昨年末のバーニーズNYという有名デパートのクリスマスのウィンドウ・ディスプレイは、「グリーンホリデー」がテーマだったとか。でも、パーティでの紙コップをやめた代わりに、食器を大量の洗剤とお湯を使った食器洗い機で洗うなど、豊かな生活をグリーン・マインドに変えていくことは、
容易ではないようです。それだけに、グリーンへの関心が高いのでしょうか。
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ニューヨークのMoMA〔近代美術館〕のデザインショップで販売されている、「どこでもスクールバス」。
この他、シャレードールハウス、スネイルなど、プラントイの木製玩具がたくさん販売されていますが、品薄で供給が間に合わない状況だそうです。 |
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下の写真右端はプラントイUSAのニタヤ社長。真ん中は、プラントイの社長夫人、ピマイさん。彼女も建築家です。
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新しいプラントイのコンセプトボードの写真を撮っています。
5枚セットになったプラントイ・ストーリーは、日本の小売店様では展示し易いか、と考えながら。 |
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ジャビッツセンターへは、ホテル前から無料の送迎バスが出ます。
会場へはほとんどの市内のホテルからは10分から30分以内で到着します。
構造のユニークなジャビッツ・センターも、今年はリニューアルするというので、来年のフェアでは新しい姿で迎えてくれるでしょう。
来年の予定は、2月15日から19日まで開催予定です。 |
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市内を送迎する無料バスにはいくつかルートがあり、
私達は、ルート1のバスで到着。
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右の写真は、今年も注目を浴びていた、キューブ・アメーズ。
上から、鉄の玉が落ちてくる組み立てオブジェ。
とてもよく出来ていて、作者のアンドリューは建築家。昨年に続き今年もブースで立ち話。日本にも進出したいということで、サンプルを預かってきました。日本発売も間近?
最近の大型作品の画像はキューブ・アメーズのブログにて(こちら)。
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レゴの三代目のクリスチャンセンさん。(写真左)
(右はアメリカ玩具協会会長のダニエル・グロスマンさん)
1947年生まれで、今はレゴの副会長。
レゴで小さいときから遊び、レゴのお人形なども導入した人です。
レゴ・シティは、今年のTop Toyのアクティビティ・トイ賞を受賞しました。
クリスチャンセンさんご自身も、玩具市場に貢献したというおもちゃの殿堂入りをしました。 |
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京都大学の博物館でワークショップを行い、展示されて、その良さが日本でもだんだん認められてきたゾムツールのブースです。
今年もメタゾムでブースを構成した、ゾムツール社。
写真の人は、ゾムツールの提唱者、数学者のマイケル・ストラナハン氏。 |
棚もテーブルも、ゾムツールで作るという懲り方。日本でワークショップをしたジョージ・ハート先生も来場していました。 |
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新製品のHIV。エイズのウィルスの分子模型ができます。
作ってみると、構造的にこのウィルスをアタックするのがとても難しいことがよく分かります。
造ったのは、ダニー。彼はゾムツールの天才ですが、普通の学校の数学の授業では落ちこぼれだったのだそうです。ゾムに出会ってようやく自分が理解でき、自分を発揮できる世界が見つかったと言い、これから高校で数学を教えることに意欲を燃やしています。
下は、ダニーの作ってくれた、ゾムツールのストラットの長さの関係を表す模型です。
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アメリカの小中学校、高等学校でゾムツールを授業に導入した先生方が執筆した、「ゾムツール・レッスンプラン1.0」を、今弊社のスタッフ総動員で訳しています。
使用した授業は、算数、数学だけでなく、多岐に及びます。
この翻訳が完成したら、日本の教育現場でも、ゾムツールを取り入れル参考になることでしょう。完成は、4月ごろを目指しています。
ゾムツールのような、空間認識力を高めたり、学校のカリキュラムでの補助教材となるような玩具も、ニューヨークの玩具見本市では、注目されていました。 |
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オーブ・ファクトリーのブースでも打ち合わせをしました。
好評のマグネチック・カラー・キューブの仲間たちが新製品で発売されます。
マグネチックJR, モザイカなどです。入荷次第、順次ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに! |
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オーブ社では、いくつか魅力的な新製品を出していました。
スティッキーモザイクのバレリーナシリーズや、ジュエリーボックスなど、「あまりにもピンク・ピンクかしら・・・」と担当のポール氏は言うのですが、明るい色使いは独特の華やかさです。
自分で模様をつくることのできる、ジュエリーボックス。この商品も6月以降入荷する予定です。
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カナダ生まれの折り紙キット、アイガミのブースです。 |
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作者のボアーズさんと。
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折り紙に触発されて作られたプラスチック製のキット。
日本でも、「月刊おりがみ」で紹介されました。
弊社は輸入総代理店として契約しています。
プラスチックのパーツは、山折りもでき、曲面も作れます。大きなモデルを作ってもしっかりしているので、色々な発展ができます。
商品情報は、こちら(PDF)をご覧ください。 |
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ニューヨークこぼれ話 |
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ニューヨークまでやってきて、3日しか滞在しないなんてもったいない!と、いつも着いてから思います。
魅力いっぱいのニューヨーク。音楽も、アートも、ファッションも、食べ物も、買い物も世界一エキサイティングな街です。
到着してすぐ、街に出かけました。日曜日の夜とあってお店はもう閉まっていましたが、ウィンドーショッピングは楽しめます。
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ロックフェラーセンターのスケートリンクでは、夜10時まで人がいっぱい。
大都会のスケートを楽しんでいました。一回20ドルくらいで、誰でも滑れます。
この原油高のご時勢に、長〜いリムジンも、夜の街で健在です。 |
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食欲のほうは、旅の疲れでいまひとつ。
結局「麺ちゃんこ亭」という博多ラーメンのお店で雑炊を食べました。
この店は、ニューヨークに進出してもう20年近くなるそうで、博多ラーメンもすっかりニューヨークっ子の間で定着している様子でした。
ガラス張りの厨房で働いているのは、ほとんどヒスパニア系の人。
ニューヨークには、24時間オープンのデリカテッセンもあるので、夜食にも事欠きません。
サラダから、日本のどら焼きまで売っていました。
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五番街のフェンディの店。発売十周年のBaguetteというバッグのディスプレイがとてもきれいでした。かわいいキャラクターのマスコットがいくつも飾ってあり、ビビッドカラーが春らしい展示。日本でも、マスコットと一緒にこのバッグが、4月号の「CLASSY」に紹介されていました。
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右は、フェラガモの店、美しい木製バッグの展示。いくらでしょうか・・・ |
18日は、コソボの独立を祝って、大きなパレードが市内で行われました。
パレードといっても、車の行列です。
はじめは暴走族のグループかと思いましたが、タクシーの運転手さんに聞くと、コソボの独立祝いだということ。車の列が警笛を鳴らし連なって走る周りを、パトカーが取り囲んで、市内は大交通渋滞でした。
右はタイムズスクエアで結集した人々。
コソボの旗がパトカーの向こう側に見えます。
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駆け足のアメリカン・インターナショナル・トイ・フェアでしたが、ニューヨークはいつも刺激的です。
来年は、ご一緒に行ってみませんか?
ニュルンベルグと同じように、この時期市内のホテルは早くから予約で一杯になります。
今年の分は、昨年の9月ごろからホテル込みのツアーを予約しました。早めの手配がお薦めです。
トイ・フェアでは、アメリカ玩具協会の主催する市内の小売店のツアーも組まれます。
ファオ・シュワルツなど有名な玩具店5店舗のツアーが今年は行われました。
来年のニューヨーク玩具見本市は、2月15日から19日までの開催となります。
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