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ニュルンベルグ・トイフェア2008出張報告 |
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2008年2月25日 前畑 典子 |
今年のニュルンベルグ国際玩具見本市は、2月7日から12日まで開かれました。弊社の山本瞬、プラントイジャパンの社長、私が参加しました。寒いところが大の苦手とあり、重装備で準備していきましたが、幸い今年は暖冬で、「これは、春だ!」とコートなしで外を闊歩するカナダ人がいたほどの暖かさでした。
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 ドイツのニュルンベルグは、南部バイエルン州にある、人口50万人ほどの都市。 20世紀初頭に約200社の玩具メーカーがあったことからも、玩具の街として知られ、毎年この時期には、世界最大の国際玩具見本市が開かれます。世界中から、約8万人が訪れるこの見本市の時期には、街は人口が急に約2割増しになるわけで、ホテルなども通常価格の2〜3倍の料金に跳ね上がります。メッセが終わるととたんに、通常料金に戻るそうです。
空港に着くと、玩具見本市の歓迎ムードで一杯。時差ボケの頭で荷物を待っていると、レゴで作った白熊などの展示が目に入ります。今年ニュルンベルグ動物園では、シロクマの赤ちゃんフロック君が生まれて、クヌートに迫る人気だそうです。
玩具見本市ののぼりや、見本市のスタンドもあり、到着後早速ガイドブックを購入しました。街のいたるところに、メッセの案内がでており、玩具見本市の歓迎ムードで街はいっぱいです。地下鉄や路線バスは、この時期、入場券を見せれば無料で乗車できます。 |
今年は、2月7日の初日から、3日間、プラントイのブースに在展し、いろいろな商品、新製品を見て回りました。約3千社の出展社が、7万種類の新製品を展示する、見ごたえのある見本市です。展示面積も、全部で16万平米に達するので、歩き回るのも大変です。歩きやすい靴と服装が必携です。
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プラントイは、いつも『伝統的玩具』のある、ホール3.
今年は、グリーントイ、グリーンカンパニーを前面に出して展示しています。また、障害者用のトイを開発し、『プラントイ・スマイルの輪』として、世界中でキャンペーンをする予定です。
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今年は、キッチン系もリニューアル。明るいパステル調の色調で、冷蔵庫なども更に使いやすく仕様変更しています。氷が出てくる冷蔵庫や、新製品の、ドラム式洗濯機は人気を呼んでいました。右上に写っているのが、ピクニックプレイマット。広げると、おままごとのできるマットになり、たたむとままごと道具が入るバッグになるという優れもの。これも人気がでそうですね。6月以降入荷予定。
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これは、新製品、コンパクトドールハウス。24分の1のスケールで、お人形と家具が付いています。ピンクの屋根もかわいらしい、女の子が夢中になりそうですね。5月入荷予定。
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今年の一番人気、レーシングシープ。羊のひもとおしです。
丸々と太って、かわいらしい!
輪切りになった羊さんの内側の色を合わせて通していくと、羊の出来上がりです。
置物にしてもいい愛らしさです。5月入荷の予定です。
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2008年の新しいプルトイ2点。どちらもユニークな動きで、人気を集めていました。しまうまくんと、いもむしくんです。プラントイのプルトイが、更に充実しました。
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イギリスの小売店様と会長。
プラントイの商品を大量に注文されていきました。ボータイ仲間。 |
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プラントイの若いマネージャーたち。
みんな、はつらつとしています。 |
ブースのやさしいフロアリングの床にも、ご注目ください。
今年は、使い捨てのカーペットをやめて、何年も使える床材にしました。
保管やメンテナンス、価格もカーペットの3倍なのですが、エコにこだわるプランイ、何年も使う予定とのことです。 |
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こちらは、ブリオのブース、今年はホール4.
イノベーションセンターのある、ホールです。
ひときわ目立つ赤の壁。美しい仕上がりです。
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中は、白い壁。
そして、新しく紹介するベリー・ファースト・シリーズのソフトトイ什器は、パケッジと揃えた、真っ赤です。心憎いばかりのデザインと演出力。
説明をする各国担当のマネージャーも、心なしか、はつらつとしています。
ブリオが若々しくなった、そんな実感が湧いてくる展示でした。
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今年は、ベビーラインの新製品がたくさん出ます。来年は、レール関係の商品に力を入れていくということで、古きよきブリオの伝統も健在のようです。上の写真は、新しい緑色の手押し車と、赤と白の木馬。モダンなデザインが各国のバイヤーの目を引いていました。
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こちらは、ホール4にある、イノベーション・センター。
毎年出展された新商品を対象に、全館の7万点以上ある新製品の中から、8名の審査員が8点の部門別イノベーション・アワード受賞作品を決めます。イノベーション・アワードは今年で5年目を迎え、毎年選ばれる8点は、その年の玩具業界の革新的デザインとして注目され、クリスマスにはベストセラーになる商品たちです。
プラントイも、2004年には、ベストフレンド部門で、木馬ルシターノが革新賞を受賞しました。受賞した商品は、赤い受賞ラベルを商品に表示できます。 |
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今年は、プレイモービルのプレイワールドエジプト、アイ・クロップスという簡易顕微鏡(バンダイから発売が決まっています)、ハスブロのコスミック・キャッチ、マーテルのUBファンキー、ウィニー・ザ・プー・ホーム、プレイゴーなどが受賞。
今年の受賞商品は、こどもたちのイマジネーションを豊かに広げ、あそびに工夫ができるような玩具が選ばれたという印象でした。 |
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ニュルンベルグ見本市では、溢れかえるような商品との出会いとともに、毎年出会うディストリビューターやバイヤー、小売店さんとの年に一度の再会もあります。
良い商品を探そうという鋭い目つきで通路を忙しく歩いている人もいれば、あちこちでハグしたり、握手して立ち話をしている人もいます。
プラントイのブースにも、今年も懐かしい人たちが訪れました。右は、ギリシャのディストリビューターの親子、下はネフのデザイナー、ペア・クラーセンさん、プラントイの社長と何やら相談しています。 |
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夜はお祝いの花火が上がったり、あちこちで商談や再会の宴が開かれます。
ニュルンベルグという街の体温がこの時期、一気に上がるような気がします。
上は、イスラエルのディストリビューター、リオラさんと私。
彼女は弁護士でもある知的な女性で、プラントイが大好きだそうです。
プラントイは今、世界60カ国以上に輸出しています。昨年中一時期は生産が間に合わない程の人気で、日本のお客様にも欠品が続いてご迷惑をおかけしました。今年は工場も増床し、フル回転で生産に取り組んでいます。
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左の写真は、ゾムツールの創案者、ポール・ヒルデブラント氏と山本君、私。
ポールと弊社会長は、13年前にもニュルンベルグで夕飯を一緒に食べたという昔話になりました。ゾムツールを日本に紹介し始めて、もう15年経ちます。
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ゾムツールは、今年ホール12にオランダのディストリビューターと一緒に出展し、大変大きな反響を得ました。新製品が今年の6月頃発売される予定で、分子構造のできるキットや、プラトンの五立体ができるキットなどが登場し、一般のお客様にもわかりやすい商品群になりました。
インドでは、高等学校の数学の授業に全てゾムツールを導入することが決まったそうです。インドは、数学の理論的教育は大変進んでいるものの、応用の筋肉の部分が弱いということで、ゾムツールの導入が決まりました。本当に価値ある商品がようやく認められたという気持ちがします。長年、商品を大事に取り扱ってきてよかった、と思える瞬間です。
右はゾムツールのブースに並んだ新製品。
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ニュルンベルグこぼれ話
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ニュルンベルグの街は、中世の城壁の中にあります。
昔、イタリアと北ヨーロッパを結ぶ貿易都市として栄えたというこの街は、ドイツで初めて鉄道が引かれた町でもあります。
中世の美しい町並みを残している旧市街の中には、鉄道博物館や、おもちゃ博物館もあります。
ニュルンベルグを訪れたのは、これで3回目でしたが、今回始めておもちゃ博物館を見学できました。 |
立派なモダンな国立博物館の一環として、通りを隔てたおもちゃ博物館は、個人の家のような昔の建物。国立博物館には、昔のいろいろな生活用具から絵画まで展示してあり、絵画では、好きなルーカス・クラーナッハの絵を何点か見ることが出来ました。 |
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博物館の地下では、日曜日とあって、家族連れや友人と訪れた人々が遅い昼食をとっていました。
私は、野菜スープトプレッツェル。メッセの中では食事が限られるので、これは嬉しい食事でした。
テーブルに活けてあるラッパ水仙に、しばしくつろいだひと時でした。 |
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おもちゃ博物館は、普通の民家だった3階建ての建物に、昔のおもちゃのコレクションがぎっしりとつまっていました。まず、入ると大きなドールハウスにびっくり。家具や食器、お人形の洋服のレースにいたるまで、丹念に当時の様子を再現したドールハウスを見ると、西洋のドールハウスの原点を見た思いがしました。
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おもちゃの街、ニュルンベルグのおもちゃ博物館の中にあった、こどものプレイコーナー。
細長い3畳くらのスペースがフロアの入り口近くに仕切ってあり、やさしいフロアリングに、最低限のおもちゃ、つみきとテーブルと椅子、そしてぬいぐるみが置いてありました。
閉館すると、つみきは両側にあるおもちゃ箱にしまうのでしょう。なんとなくほっとする空間が出来上がっていました。 |
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おもちゃ博物館の三階には、ゲームの展示もあります。昔のダイス。
さいころの起源は、古代インドとも古代エジプトともいわれる様ですが、向かい合う面の数字を足すと7になるような、現在の正六面体のさいころの形は、BC8Cごろアッシリアの遺跡から採掘されたものが最古だということです。なんとも、古くからあって、変わらないおもちゃの形ですね。
昔は、さいころの動きを神の意思として祭儀に用いたりしたらしく、古代ローマでは、正二十面体のさいころも使われていたといいます。幾何学の始まりと起源を同じくする、まさに科学玩具です。
ここで見た二十面体のさいころは木製で、球体から20の面を切り取って、その面に彩色をほどこしているという、おしゃれなさいころでした。ひっくり返った金属製の小さなフィギアもついていて、どんなゲームに使ったのだろうかと楽しい想像をめぐらせました。
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木製のボードゲームがいくつか展示してありました。
ドイツでは昔から、木を丹念に加工して作ったボードゲームが盛んだったことがよく分かります。
一点ずつ工夫を凝らして手作りで作ったゲームで、何代にも渡って遊んできたことが、今のボードゲーム文化の基礎になっているのでしょう。どれも素晴らしい手作りのゲームでした。
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木製レールの遊びの原型のようなセットも展示してありました。
そのセットを収納する箱も木製で、その箱がまた素晴らしい。
円形だったり、箱型だったり、丁寧にペイントしてあり、おもちゃを大事に扱ってきたことの歴史が刻まれていました。
今年もニュルンベルグの玩具見本市に参加でき、大変幸運でした。
来年も、また新たな商材、出会いを求めて旅立つことができれば、嬉しいです。 |
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