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香港、ニュルンベルグ、ニューヨークで行われたトイフェア
駆け足で見てきました。ご報告です。
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前畑 典子 |
1. 香港玩具見本市
2. ニュルンベルグ・トイフェア
3.スイスのおもちゃ屋さん
4. アメリカン・インターナショナル・トイフェア(NY)
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3.スイスのおもちゃ屋さん |
ニュルンベルグからニューヨークのトイフェアに移動する前にスイスの玩具店を訪れました。チューリッヒにある、パストリーニとキッズ・タウン、そして、科学玩具の専門店、AHAです。
チューリッヒは、ニュルンベルグから飛行機で一時間ほどのところ。ヨーロッパの中心にある、古い建物が美しい街です。川が街の真ん中に流れ、端から端まで歩いても30分ほどの距離。小雪まじりの天候でしたが、それほど寒くもなく、市電と徒歩で、あちこちを見て回りました。画像は、街中を走る市電。チューリッヒの市電はブルー、バーゼルの市電は緑色、どちらの街にも地下道や歩道橋はなく、人にやさしい、昔のリズムそのままの時間が流れていることがうらやましくもありました。
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パストリーニは、80年の歴史を誇る老舗のおもちゃ屋さん。チューリッヒの中心部の大通りから少し裏手に入ったところにあります。地下一階、地上3階建ての一軒のお家のような建物です。
美しい木製の玩具と、教育的価値のあるおもちゃを取り扱うことをモットーとしているおもちゃの専門店です。日本からも、多くの人が見学に訪れる有名なおもちゃ屋さん。私は、今回初めて訪れ、お店のアットホームなくつろいだ雰囲気と、商品を見やすい店内、そしてお客様が店員さん(ほとんどが、中年の女性)に色々と質問をしながら、熱心におもちゃを選んでいる様子にとても感動しました。一人の紳士は、商品を買ってレジで支払いをしながら、店員さんに、「色々とアドバイスをありがとう、とても助かりました。」とお礼を言っていました。
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このパストリーニは、ネフのデザイナーとして有名な、ペア・クラーセンさんが、初めてネフさんと運命的な出合いをした場所でもあるそうです。1967年、クラーセンさんがショーウィンドに作品を展示していた時に、ネフさんに声をかけられて、商品のサンプルを送るように言われたのがそもそもの始まりだったそうです。それ以来、ネフさんは、クラーセンさんの作品の最高のプロデューサーとなったと、クラーセンさんが話していました。
当時の店主だったパストリーニさんはすでに亡く、今はクリスティーナ・パストリーニさんが店主をしておられます。かつてクラーセンさんも作品を飾ったというショーウィンドは、ちらかった子ども部屋のイメージで、クラフト系のおもちゃがちりばめて飾ってあり、とても楽しい躍動感のあるディスプレイです。また、ヨーロッパのおもちゃ屋さんでは良く見る、お姫様ごっこ用の衣装も、たくさん飾ってあります。 |
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AHAは、日本の倉敷芸術科学大学のカスパー・シュワーベ教授のお店。科学玩具の専門店です。日本でもなじみのある、吉本キューブや日詰さんのフィボナッチのモビールなどの作品がウィンドウ狭しと飾ってあり、ゾムツールで組み立てたバッキーボール等の立体も飾ってありました。道行く人々が寒い中立ち止まって、興味深そうに眺めています。
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AHAは、チューリッヒの川向こうにある旧市街地にあります。レストランやバーなどがあるメインストリートから坂を上って少し奥に入っていくと、住宅街にあり、周囲には、楽しそうなお店がいろいろ。散策するのも、楽しい場所です。”Aha!”
というのは、ドイツ語で、「あ、そうか!」とか、「なるほど!」といった意味。何かアイデァが閃いた時にも、使うようです。ステキなネーミングですね。AHAのお店のURLは、こちら。
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チューリッヒのデザイン・ミュージアムは、ホテルからトラムで2駅のところにありました。丁度、「ヘッド・トゥ・ヘッド」という、歴代の国家主席、大統領の肖像画や選挙戦のポスター・デザインの展示をしており、オバマ大統領の、「チェンジ!」も展示していました。
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下のオブジェは、チューリッヒの鉄道駅の天井に飾ってあるダイナミックな天使。ニキ・ド・サンファールの作品です。
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ICEで、バーゼルに移動しました。
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バーゼルのおもちゃ屋さんの様子です。
右は、子供服やインテリアのお店。暖かそうなこども部屋の雰囲気が出たウィンドウ・ディスプレイです。
下は、スイスの物産店。チェーン店になっていて、スイスの国内に5店舗あるそうです。しゃれたおみやげ物やインテリア雑貨などを販売している「ザ・ハウスオブクラフト」。スイス製の商品を置いています。スイスといえば有名なネフのつみきも売っていました。どのお店も、木のフロアリングでアットホームな感じ。おもちゃ屋さんは、照明も暖かく、子ども部屋にいるような雰囲気です。
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バーゼル市内を走っているトラムは、明るい緑色でした。トラムは、完全に市民の足として機能していました。
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バーゼルは、世界的に著名な建築家が多く住んでいることでも有名な町です。
市内には、ミュージアムが大変多く、街を歩いていると、いくつものミュージアムに遭遇します。その中で、ティンガレー美術館にまず行きました。
ティンガレー美術館前にある、ニキ・ド・サンファールの作品。美術館は、ロシュという製薬会社が建築したもので、近くにはロシュ本社ビルや、職員のための託児センターもあります。昼間も、子ども達が大勢見学に来ていました。 |
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建物は、ライン川沿いにあり、川の景色も取り込んだ廊下の展示スペースは素晴らしいです。ティンガレーの作品の多くは、足元のスウィッチ押すと、動いたり音を出したりする、体験アートです。子ども達も目を輝かして作品を鑑賞していました。
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また、バーゼルで是非お薦めするのは、プッペンハウス・ミュージアム、人形の家博物館です。ヨーロッパ最大の規模といわれるこの博物館は、マダム・ユーリーという個人のコレクション6000点余りを展示して、1998年に設立されました。個人のコレクションとしても、最大の規模だそうです。
館内は撮影禁止でしたので、画像はホームページからご覧ください。まるで、館内を歩いているような臨場感です。旧市街の中心部にある、大きな4階建ての19世紀に建てられた建物の一角にあります。館内も4階あり、1000平米といわれる展示スペースには、テディベアや陶器のお人形のコレクションの他、人形の家のコレクションがたくさん展示してあります。
人形の家は、単にごっこあそびの道具ではなく、その時代の世相や社会を反映する貴重な文化的資料でもあることがよく分かります。人形の家も、住んでいる人たちの会話が聞こえてきそうな雰囲気で、手術室や薬屋さん、学校の教室など、当時の生活が生き生きと再現されている作品もあり、その正確な再現性には驚きます。じっくりと見学すると一日いても飽きないほど充実した展示です。
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バーゼルでは、民宿に泊まりました。大家さんは、ロレダーナ・ルッチさんというイタリア人の学校の先生。17才、15才と4才の3人のお子さんの母親でもあり、ご主人はやはり学校の先生でスイス人。部屋は清潔で、台所とリビングがついていて、快適でした。 |
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ロレダーナさんの長女エレナちゃんが、モンテッソーリの幼稚園に行っているので、朝一緒に登園しました。先生は、カナダ人のヘレンさんという明るい先生。園を案内してくださいました。日本人の生徒さんもかつて在園していたとのこと。はじめは、言葉がわからなくて不安そうだったけれど、日本でもモンテッソーリの幼稚園に通っていたため、同じ教材を見るととても安心してすぐに皆とお友達になったそうです。
3才から6才のこども約30人が通うこの幼稚園は、スイスではめずらしく3才児から通えるのだそうです。スイスでは幼稚園は5才から、小学校は7才からというのが一般的だそうで、イタリア人のロレダーナさんはそれでは遅いと考えていろいろ探した結果、モンテッソーリに行き着き、とても満足していると話していました。
バーゼルの、モンテッソーリ・ブリジット幼稚園のホームページは、こちらです。めちゃめちゃ明るい雰囲気です。 |
ロレダーナさんとエレナちゃん、ヘレン先生といっしょに。
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園では、宇宙をテーマに、3月に行われるカーニバル用の地球儀マスクを製作してあり、とても楽しい被り物がたくさん出来上がっていました。町中で、カーニバルのためのマスクや被り物が展示してあり、3月のフェスティバルはとても大掛かりなイベントだそうです。
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バーゼルでは、懐かしい方と再会しました。ネフのデザイナーとして有名なペア・クラーセンさんです。ご自宅から一時間くらいかけて、バーゼルまで出てきてくれました。クラーセンさんが毎週ディスプレイを変えているという、目抜き通りのショー・ウィンドゥや、古い郵便局など市内を案内してくださいました。ご自分の作品を展示しているというディスプレイは、毎週変えても一年続けられるそう。さすが、クラーセンさんです。ディスプレイの横には、ドイツ語で自作の俳句が飾ってありました。ネフさんとの出会いも、スイスのおもちゃ屋さんのショー・ウィンドゥだったそうで、パストリーニというおもちゃ屋さんでクラーセンさんが作品を展示していたときに声をかけてくださったのがネフさんだったとのこと。今は亡きネフさんは最高のプロデューサーだったと懐かしんでおられました。
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−−> 4. アメリカン・インターナショナル・トイフェア(NY) へ続く
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