プラントイの「グリーン・アンバサダー プログラム2009」が、6月23日から27日まで、プラントイの工場のあるタイのトランと、バンコックで行われました。これは、世界中のプラントイを取り扱うディストリビューターや小売店さんが集まり、プラントイの工場を見学したり、プラントイについて学び、プラントイのグリーン・ポリシーを世界中に広めるアンバサダー(大使)になってもらおうというプログラムです。今年は、12カ国から44名のグリーン・アンバサダーが集結し、日本からも6名が参加して、プラントイのスタッフも加わって総勢100人が、にぎやかに5日間のスケジュールをこなしました。ここで、このプログラムのご報告をし、プラントイ社の取り組んでいる活動についてお知らせし、来年もまた行われる予定のグリーン・アンバサダープログラムに、是非参加していただきたく思います。
前畑 典子
 日程:
6月23日 バンコック到着 バンコック泊
6月24日 トランへ空路移動、プラントイのゴム農園、製材工場、プラントイ工場を見学
6月25日 午前: セミナー 「グリーン・シェアリング」 午後: マングローブ植樹
6月26日 トランの島巡り    6月27日 バンコックへ移動、アユタヤ旧跡訪問後帰国




6月24日  空路トランへ

6月24日早朝、トランの飛行場に続々と世界中の小売店さんや代理店、プラントイのマネージャーが降り立ちました。雨季にも関わらず、ラッキーなことに晴天。
暑い、暑い。 日本からは6名の参加です。歓迎のレイを首にかけてもらって、記念撮影。昨夜遅くバンコックに到着。今朝は5時起きで、皆さんやや眠い状態です。





早速2階建てのバスに乗り込んで、ゴムの木のプランテーションを見学に向かいました。


パラ・ラバーツリー・プランテーション見学

 トランの飛行場からバスで30分ほど走ると、道路の左右には食べ物屋さんなどがあるだけの牧歌的な風景となり、ゴムの木を栽培するプランテーションがたくさん見えてきます。

 このゴムの木のプランテーションは、ゴムの樹脂を採取するために計画植林されたもので、プラントイでは樹齢が25年経過してゴムの樹脂が取れなくなって伐採処分されるゴムの木を購入します。

 プラントイが契約しているプランテーションでは、プラントイの無添加の木製玩具を作るために、伐採の3年前から化学肥料を与えずにゴムの木を栽培しています。

 プランテーションでは、ゴムの樹脂の採取方法や、樹脂からタイヤなどの原料となるゴムシートを作る実演などを体験しました。プランテーションのゴムの木には、一本一本に、「私は、来年伐採されて、木のおもちゃとして生まれ変わります」とか、「私は、まだ2歳です」などの、木の代わりにそれぞれのメッセージを伝えてくれる表示がしてありました。




ゴムの木のプランテーションは、ほとんどが何代も続いた家族経営で、地元に工場を持つプラントイとは、長年契約しているゴム園がほとんどです。


製材工場見学
 次は、プラントイの製材所パラヴェニア工場の見学です。
一日目は、トランに移動して、ゴムの木のプランテーション、製材工場そして、お待ちかね、プラントイの工場見学と、とても盛りだくさん。
44名のゲストとプラントイのスタッフは、熱心に見学をし、色々な質問もあちこちで飛び交っていました。
 外気温度が35度を超える中、ゴム園からバスで10分程でプラントイの製材工場に着きました。

 ここでは、樹齢25年を経て、かつては伐採・焼却されていたゴムの木をリサイクルして、プラントイの木製玩具の材料として製材しています。有機栽培されたゴムの木から、化学処理をしない、無添加の材木が作られるのです。
 広い製材工場の中を歩いて見学すると、木のキャラクターの説明があります。
「ぼくは、無添加のプラントイの木だよ。白いでしょ、安全な木なんだ」

 材木は、実は、原木の段階でほとんどの場合防腐剤や防虫剤、防黴剤等の化学処理がされているのですが、プラントイの材木は、窯の中で熱処理をすることで、防虫処理をします。化学薬品による汚染が全くない、無添加の材木です。上段中央の写真は、木に化学処理がしてあるかどうか、試薬を使って試しているところです。臭いでも、化学薬品が使われているかどうか、わかるようです。


パラ・ラバーツリー・プランテーション見学
プランテーションと製材工場を見学して、プラントイの工場に到着したのは、お昼過ぎ。まず、プラントイの心づくしの昼食をいただきます。

場所は、工場の敷地内にある、プラントイ社長ビトールさん設計による、ダイナミックな吹き抜けの食堂。

朝早くからの移動と、暑い中での見学の後、一同ここでほっと一息つきました。全員、配られた「プラントイグリーンアンバサダー」のポロシャツを着ています。

昼食後、待望の工場見学をしました。左は真剣にお昼のメニューを選ぶ、スイスとUKのディストリビューター。

   

コンピュータ管理された工場内で、熟練工が黙々と作業を進める中、私達は、各工程をつぶさに見学しました。

現在プラントイの工場では、約1600名の従業員が、プラントイのおもちゃ作りに従事しています。丁寧にパーツを仕上げ、組み立てる工程と、始終にこやかに黙々と作業に従事する従業員の姿に、各国のディストリビューターも驚きの声を上げていました。


チルドレンミュージアム
昨年オープンしたチルドレンミュージアムには、プラントイのこれまでの製品の歴史から、各国のおもちゃまで、世界中のおもちゃが展示されており、子ども達は、無料で見学することができます。セミナー室も完備しており、吹き抜けの素晴らしい建物です。


    
全員集合! 日本チームと韓国のディストリビューター   



625日 (2日目) 午前中はホテルでグリーン・セミナー、
午後はプラントイのグリーン活動体験です。

グリーン経営、グリーン・シェアリング
プラントイのマーケティング部長から、プラントイのグリーン経営・戦略について講義。その後、カナダ、オランダ、スイス、日本の各国からグリーン戦略への取り組みについて発表しました。


  
コーヒーブレイクも、緑の中

 その後、各グループごとにマーケティングについての話し合いをし、最後にグリーン・シェアリングといって、昨日の工場ツアーでのグリーンな体験をグループ毎にコラージュの作品で表現するというワークショップ。木の葉やココナッツの実まで持ち込んで、どのグループも力作を発表しました。

日本のグループは、立体的なコラージュに、生け花風のインストレーションをして、最後に、自然!グリーン!平和!などの漢字を書き込んで仕上げ。一番アーチスティックでまとまりがあると、全部で7つの作品が発表された中で、日本チームの作品は評判でした。30分という短い制限時間の中で、アッという間に全員がそれぞれの才能を発揮し、積極的にアートと取り組んだ姿は、さすがでした。
 それぞれのグループが結束して作品を完成させた後、昼食となり、午後はトランの町でグリーン体験です。プラントイ社が長年取り組んでいる、グリーン・プロジェクトを体験するのです!
      
日本チームのタイトルは、「自然の恵み、プラントイ!」 7つの作品中最高傑作と自画自賛!



トランの小学校訪問

 午後は、トラン市内にある公立の小学校を訪問しました。
プラントイは、毎年市内にある小学校に、プラントイの工場で作られた木製玩具のパーツを寄贈し、教材として使ってもらいます。

 44名の13カ国から集まったグリーン・アンバサダーも、今年は一緒に小学校を訪問し、小学生と一緒に遊んだり、寄贈式のお手伝いをしたりしました。

 集まってくれていたのは、高学年、5,6年生の約80名の生徒さん。プラントイのつみきや曲木のパーツに絵を描いたり、組み合わせてユニークな作品を作ったりして見せてくれました。

   

暑いのに、子ども達は制服、製靴です。きちんと並べられた靴。

     


マングローブの植樹
 プラントイでは、トランの自然環境を守るために、毎年何千本ものマングローブを植樹しています。今年も、6月23日に1600名の従業員一同が植樹しました。私達グリーン・アンバサダーも、この日マングローブの植樹を手伝いました。慣れない沼地で滑りながらも、地元の小学生と一緒に、一人20本というノルマを達成し、一同大満足でした。
 慣れた手つきで、まず棒で穴を開け、マングローブの苗を植えていく、ビトール社長夫妻。
    
        
        

後ろの車は、手伝ってくれた小学生のスクールバス。
オープンで、屋根にも人が乗れるようになっています。



グリーン・パーティ!

 プラントイのグリーン・アクティビティも体験したこの夜、13カ国から集まった44名のグリーン・アンバサダーは、一人ひとりビトール社長から認定書を授与されました。
  



友達になれるのも、嬉しいプログラムです。アメリカのレップの一人、ローリーさん(真ん中の女性)は、もう20年前からプラントイのファンだそうで、ごく初期の製品を今でも大切にしているそうです。


上:プラントイのマネジャー達と日本チーム


左:アメリカのレップ達と一緒に記念撮影。世界中のプラントイ・ファンと


最後は、タイの盆踊りを全員で!

   



6月26日  トランの島巡り

 プラントイの工場のあるトランは、バンコックから南に約800キロ。トラン県は美しいアンダマン海に面しています。観光地として有名なプーケットも近く、湾になっているため津波の危険もないそうです。

 この日、晴天に恵まれて、44名のグリーン・アンバサダーは、トランのエメラルド色をした美しい海に浮かぶ島巡りをしました。貸切の船に乗って、安全な湾で停泊しては、シュノーケル。カラフルな魚が透けて見え、トランの美しい海を満喫しました。この海が、いつまでもきれいでいてほしいですね。
     

        



627日 アユタヤの旧跡巡り、そして帰国
トランを出発してバンコックに移動。一同は、帰国前にタイの古都、アユタヤを訪問。14世紀から400年間タイの王朝があったという古い都。日本との交易が始まり、山田長政が日本人町を作った日本ともゆかりのある町です。歴代の王様が夏の間住んだサマー・パレスを見学。そして、エレファント・パークに行って、待望の象さんに乗りました。

 象さんに乗ることは、実は全員が密かに一番楽しみにしていたことのようでした。

小さい時からダンボの映画を見たり、動物園でも一番大きな動物として親しんでいたゾウさんです。このゾウさんが、20世紀初頭の20万頭から、今では4万頭以下に減って、地球の環境破壊や温暖化のために絶滅の危機に瀕しているというのです。一日に何万トンもの草を必要とするゾウにとって、ジャングル等の生態系が破壊されれば生きていけなくなるからです。

 今回4日間のプラントイのグリーン・アンバサダープログラムに参加して、プラントイが創業当時から取り組んできた、環境保存の理念が実践されていることを実際に見学し、体験してきました。また、タイの素晴らしい自然環境も体験する機会を得ました。
 この美しい地球環境が破壊されることなく、ヒトにとっても、動物にとっても同じようにやさしい環境でいてくれるよう、私達も少しずつでも努力していかなければならないと強く感じます。プラントイの理念も44名のアンバサダーを通じて世界に伝えられていくことと思います。プラントイの無添加の木製玩具を手にした時、タイの美しい自然を思い出し、環境を大切にするように、おもちゃとも親しんでいただければとても嬉しいです。


以上