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2010年2月4日〜9日
報告:前畑 典子 |
世界最大の玩具見本市。戦後まもなく、物資のない時代に第一回目が開かれ、人々に夢と希望を与えた見本市も今年で第61回目を迎えました。16万平米の展示スペースに、59カ国2700社が出展、世界100余りの国から75000人以上のバイヤーが訪れるという世界最大級の規模を誇ります。毎年この展示会では約7万点以上の新製品が発表されます。今年は2月4日から7日まで会場を見てきました。4日間で全部のブースを見るのには一日平均したら675ブースにもなります。毎年見本市を見て回れるようにトレーニングをしているというバイヤーさんもいるくらい、体力もいります。今年も行けたことに感謝しご報告させていただきます。 |
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例年メッセ駅で地下鉄を降りて橋を渡ると、会場の入り口に大勢の人が群がっていて、入場の順番を待っているのですが、今年は少し様子が違いました。日本でも見かける、「工事中で、ご迷惑をおかけします」のお人形さんが、あちこちに立っています。手にニュルンベルグ見本市のトレードマーク、赤い木馬の看板を持っているのがご愛嬌。正面の入り口は閉鎖され、メガホンを持ったおじさんたちが「工事中なので迂回路からお入りくださ〜い!」と叫んでいます。広大なメッセ会場の入り口を改装中のようです。空は曇天。心配していた雪は降っていませんが、2週間ほど前降って積もった雪の後が、あちこちに見られました。今年はヨーロッパが大寒波・大雪と聞いていましたが、会期中は雪の心配もなさそうでまずは一安心。
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初日の入場時には入り口が二方向に分かれていたせいか、入場者は例年より少ないのかと心配しましたが、会期終了後の主催者からのレポートによると、6日間で昨年よりも1000人ほど多い、76600人が世界104カ国から来場し、海外からのビジターは総来場者の52%に当たります。外国からの入場者の比率も、購買に積極的なバイヤーの比率も昨年度比アップだったということで、おもちゃ業界には経済不況は関係ないと強気の報告でした。 |
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ホール3 A-24 PLANTOYS |
毎年定位置にブースを構えたプラントイ。今年は、開放的なブース構成で、いつもより広く感じます。お客様の回遊性もよさそうで、見やすいブースとなりました。初日から世界中のディストリビューターがブースに集まってきています。毎年プラントイの紙袋を楽しみにしてくださっているお客様がいらっしゃるのですが、今年の紙袋はまた特別。名実ともにグリーントイ・グリーンカンパニーを標榜するプラントイ社は、今年はオリジナルのカタログを再利用した手作り紙袋。何と、この紙袋はかなり注目度が高く、どのように作られたかを話すと、「大切にするわ!」と目を輝かせて持ち帰るお客様の姿が印象的でした。実はこの原案、ビトール社長が高知県の馬路村に行った折に途中の道の駅で見かけたものからヒントを得ています。新聞紙を折りたたんでショッピングバッグを作る型紙が原案です。高知のエコとプラントイのエコの合作というわけです。
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ビトールさんはそれを持ち帰り、プラントイの古いカタログのページを組み合わせて単調にならないようなレイアウトを考え、どのページをどのように見せるかはそれぞれ作る人の創造性に任せるという、コンセプトは固定で自由デザインにしました。その結果個性溢れるオンリーワンの紙袋が出来上がりました。作る人たちも、ページの組み合わせによってデザインが大きく変わるのを楽しみながら作ったそうです。まさに、グリーンカンパニーのエコバッグです。
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さて、今年の新製品は? まず注目されていたのは、新しいベビーライン。プラントイらしく、素朴でやさしく、また楽しい要素が加わったベビーのガラガラシリーズです。5228カスタローラーは、転がりながらカスタネットが鳴る仕組み。5231ピーカーブーローラーは、回転しながら、赤と青のパーツが出たり引っ込んだり、いない、いないバーをします。5229ベビーカーはカラフルな車体が触れると優しい木の音を出します。プリスクールで人気だった6413クラッターは、鳴子のように両手で持って動かすと、にぎやかな木の音がして、楽しい音具です。
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動物の生態系を守ろう!
これも、今年のプラントイのテーマのひとつです。北極でも、アフリカや東南アジアのサバンナでも、ジャングルでも、地球温暖化や森林破壊によって動物たちの生態系が侵され生存できなくなっている地域がたくさんあります。地球を守り、人に優しい環境を守ることはもちろん、動物たちを絶滅の危機から守ろうと、今年はこのテーマに基づいて、可愛らしい表情豊かな動物も新製品として発表されました。
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「木製玩具は、世界を変えられるだろうか?」 プラントイは、今年もこのテーマで世界中に問いかけます。安全な材料、安全な玩具を作り、環境にも配慮することで、木のおもちゃで遊ぶ子ども達に地球の大切さ、いのちの大切さを知ってもらうことが、最終的には環境に関心の高い大人に成長する道ではないか、それがプラントイの願いです。
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Plan Education
プラントイは、今年プランエジュケーションを新しく発表しました。ブースの中でかなりのスペースをとり、算数、幾何学、言語、環境などのテーマ別に、教材となる木製玩具のセット販売をします。幼稚園や保育園、チャイルドケアセンターなどに、テーマ別のセットとして広く利用されそうです。
木箱の中には、お片づけの際にきちんと教具が納まるように、収納の図も描いてあります。それぞれの木箱は、重ねて収納できる省スペースの工夫がされています。
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エコロジーを学ぶための街のキットは、エコタウンシリーズを大勢の子ども達が遊ぶように工夫したバージョンです。ごみの分別キットもあり、まさに生活を通して環境問題を学べるセットになっています。エジュケーションラインを説明するイギリスの教材会社のケリーさん。お客様にも大変好評だったそうです。日本には夏以降入荷予定です。
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プラントイ社の若いマネージャーやデザイナーと一緒に。
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トイイノベーションアワード
2010革新賞の8部門
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例年4ホールに、新商品の中から今年のトイイノベーションアワードの候補商品対象となる商品が展示され、受賞商品が発表になっています。今年は、エモーション+エクスペリエンス部門、クリエィティビティ+デザイン部門、電子技術部門ノリッジ+ラーニング部門、ファン+スポーツ部門、ゲームズ+アクション部門、エコロジー+環境部門、トレンド+ライフスタイル部門の8つの部門の受賞が発表され、ハペインターナショナルの竹製のブロックや、プレイモービルのセットが受賞しました。プラントイのベビーラインと動物シリーズも展示されていました。詳しくは、こちらのリンクをご覧ください。
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同じ4ホールに、ブリオのブースがあります。ブースというより真っ赤な頑丈な壁に囲まれた砦のような広い空間です。今年は、その壁面にも外側から見ることが展示がしてあり、通りかかる人の注目を集めていました。ブースの中では、スタッフがSimply
Brio!と書いたTシャツを着て忙しそうに行き来しています。新製品を並べた展示台にも、各国のバイヤーが集まり、熱心に説明を聞いています。 |
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ブリオは、今年は原点のレールに戻るというポリシーで、現代の生活の風景の中の電車や車をメインに打ち出しています。以前のネットワークシリーズが近未来の風景としたら、今年の取り組みはまさに現代。子ども達がヨーロッパの町並みの中で普通に目にする電車の風景。親しみやすい列車です。今年の新製品は、春と秋の2回に分かれて発表になりますが、春はコンテナなどの物の輸送、秋は人が乗れる列車がメインです。今春発売の列車。
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上の画像は、新製品のバナナワゴン。コンテナの外側はプラスチックですが、中に入る荷物は木製。木で出来る部分は、極力木製にしているそうです。クレーンやコンテナワゴン、貨物列車。子ども達の大好きなレール遊びですね。
ブリオのパケッジも順次変わるそうですが、新しいパケッジの画像はとても明るい!そして、こども目線です。棚割りでご覧いただけるでしょうか。商品が横位置と縦位置で並べても、パケッジの絵がぴったりと合って、中にある商品が外から分かるように工夫してあるそうです。うーん、さすが!統一されたCIといい、新しいパケッジといい、歴史あるブリオの、新しい力を感じます。
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この他、弊社のブリオページでもご紹介している、ハローキティシリーズが新製品として日本にも上陸します!ヨーロッパでは大人気のピンクバージョン。白いキティとブリオのロゴがとても清潔感があって、かわいいです。ハローキティのページへ。
外壁のショーウィンドに展示された、1957年のブリオ列車。木箱に入っていました。今見ても可愛らしい列車で欲しくなりますね。
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ゾムツールは10ホールで展示
アメリカントイフェアからヨーロッパに進出して、ニュルンベルグ出展は今年で4年目となったゾムツール。毎年ブースの飾りつけが奇抜で楽しみです。今年は、ポールとマイクが6時間かかって、ゾムツールで壁を作ったのです。ご覧ください!何でも作れてしまう、それがゾムツールなのですね。世界中のバイヤーから注目をあびているゾムツール、会長と3人は何故かドイツのニュルンベルグで、「シェナンドー・リバー」の大合唱となり、帰りの地下鉄の中までそれが続きました。 |
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Rolitロリット |
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12ホールにあるロリットのメーカーは、オランダの今年30周年を迎えるゴリアテ社。メールでしかコンタクトしていない担当者と実際に会うことは本当に楽しみです。数あるゲームの中から、新作や、ロリットジュニア、トラベルロリットなどを詳しく紹介していただきました。楽しいアクションゲームは、昨年ヨーロッパで大ヒットとなった商品。その他にも、ねずみを追いかけたり、やってみると大人でも面白いゲームがいくつかありました。数々のゲームを抱えて、このブースも大勢のお客様で盛況でした。 |
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i-Gami アイガミ
カナダの会社、プラズマアート社のトレーシーはいつもとても明るい元気なマネージャーです。カナダからドイツへ、そしてニューヨークのショーへと、長い出張が続きます。アイガミは、昨年北米では徐々に人気が出て、売り切れるショップが続出したそうです。日本でも、ワークショップなどで少しずつアイガミのファンが増えています。この他にもプラズマート社では、以前アメリカで大ヒットしたという3Dパズルを展示していました。
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abalone アバロン
発売以来200万個を販売したフランスやヨーロッパで大人気のアバロン。日本にも以前から熱心なファンが大勢いらっしゃいます。アバロンのブースは大賑わいの盛況で、記念写真を撮る暇もありませんでしたが、ここでは何と、アバロンの第3作目の試作品を作者自ら見せてくれました!アバロンらしい、フランスらしい、デリケートで動きのあるゲーム。本当に独特です。第2作目のカラリオは、昨年フランス限定販売で3000個完売したそうです。日本にご紹介できるといいと思います。
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125年の歴史を誇るシュタイフでは、2010年の世界限定品を発売します。初めての試みとして、お買い上げいただいた商品を輸入元に登録していただくと、製造年から2年以内の保証がされます。品質に自信をもつシュタイフ社ならではのサービスですね。2010年世界限定商品は世界で2番目に古いテディのレプリカ(当時のロッドジョイントを使用)など、約16品目あります。詳しくは、弊社までお問い合わせください。
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ベビーに注目!
今年は、2ホールがベビー用品の特別展示となっています。来場者の12%以上がベビー用品を見たいという調査結果が出たため、主催者側で今年からベビー専門のホールを企画しました。シュタイフは、このホールでも展示しています。以前ブリオから販売されていたアンビトイも、ベビーの2ホールです。日本にも再上陸の予定がありそうです。木製玩具の多い3ホールでも、全体的に、ベビー用アイテムに力をいれている傾向がみられました。
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トイフェアには、毎年色々な出会いとドラマがあります。そして、おもちゃ作りのプロ、デザイナー達の新作を見てたくさんの感動をもらいます。広い会場で再会を喜び合い、昨年は何が良かったかとメーカーやデザイナー、そして各国のディストリビューター達と話しがはずみます。 今年は、2年前に会長と百町森の佐々木さんがエッセンのゲームショーで出会って以来メールのやりとりが続いていたフィリッペさんと初めて会いました。彼は、フランスのゲーム作家。何と、アレックス・ランドルフさんの弟子で、15年間も彼の元で勉強をしていたそうです。「ランドルフさんはぼくにとっては、父親かおじいちゃん同然の人なんです。僕の作品のパケッジにも、だからランドルフさんを描きました」と話してくれたフィリッペさん。彼の新作も今年ご紹介できると良いと思います。
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MesseTrends などの記事を見ると、大手メーカーの昨年の売り上げが発表されています。2009年はリーマンショックから始まった世界経済不況の影響が懸念された年で、売り上げも前年度比が5〜8%減というメーカーが多く見られました。特にアメリカの市場動向が注目されていましたが、全体に売り上げが落ち込んだ中で、昨年のクリスマス時期8週間でかなり盛り返し、年間を通して0.8%減に留まったと発表されていました。アイテム的には、アメリカではビルディングセットなどの構成玩具や、アーツ&クラフトの売り上げが伸び(平均10%強)、逆に電子ゲーム類が17%減になったという状況は、日本と同じ傾向のようです。おもちゃの業界に不況は関係ない!と強気のニュルンベルグ見本市ですが、どの国でも本当に価値のある喜ばれる商品を模索していることは間違いありません。市況が弱っている分その追求も真剣です。
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今年も行くことができてよかった。多くのプロフェッショナルと出会うことができてまた勉強をさせていただきました。来年も参加できるように頑張りたいと思います。そして、楽しく、意義ある、自然、本物、科学に根ざしたおもちゃをお届けしたいと思います。今年のニュルンベルグの収穫も、まもなくお届けできると良いと思います。どうぞ、お楽しみに!
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来年2011年は、2月3日から8日の開催です。 |
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