第108回 In NY

Feb 13 - 16,
2011
 第108回アメリカントイフェアが、2月13日から16日まで開催されました。
今年のニューヨークは、トイフェアの期間好天に恵まれ、世界中のバイヤーや全米の小売店
          さんで会場がにぎわいました。フェアの様子をご報告します。             
前畑 典子
 
会場は、ジェイコブ・ジャビッツセンター。会場の近くには、長年バービーの恋人だったケンの大きな看板。「僕達はプラスチックかもしれないけと、愛は本物だよ」というメッセージが示す通り、バービーとケンは7年ぶりにまた恋人同士に戻るというストーリーで、会場や街でもイベントが行われていました。
長年ニューヨークのタクシーの定番だったフォードのクラウン・ヴィクトリアに代わって、トヨタのプリウスなどのエコカーが走っています。
ニューヨークは、グリーン・シティに名乗りをあげて、タクシーにもグリーンNYCのマークが付いています。
       
会場で、レジストレーションの列に並ぶ来場者。列に並ぶ人も、受付の人も、リラックスしたアメリカ式ムードの中、日曜日は10時の開場を待ちます。今年は、事前登録の人数が集まらなかったのかと思うほど、熱心な呼びかけが主催者側からあり、ホテルの予約システムも整えられて、市内のかなりの数のホテルが、フェアに協力している様子でした。

プラントイのブース
は、No.6217.一階から順番に4ケタの番号がついて、約3万平米の開場に、27カ国から1,100社が展示している。プラントイは、ゆったりとしたスペースに、プランプリスクール、アクティビティ、プランシティ、ドールハウスと、新しいラインのエジュケーションを展示しています。展示台は、エコスペース、再利用が可能な段ボールの展示台にクロスをかけたもの。全体的に、素朴なトーンの中で、カラフルで楽しいプラントイの木製玩具が際立っています。プラントイは、今年で30周年を迎えます。ゴムの木のリサイクルで幼稚園向けの教材を作り始め30年が経ちました。昔は、今ほどリサイクルや環境問題は話題にならず、ゴムの樹脂を採取した後の木も、焼却処分されていました。国のためになることをしたい、子ども達にも、使っているおもちゃの命がどこから来ているのか知ってほしいという思いで、ビトール社長は、廃棄されたゴムの木の再利用を始めたのだ。誰も賛成しなかったリサイクル活動に、今では、何社も賛同しています。マングローブの植林も、全社を挙げて何年も続け、本当のグリーンカンパニーとして内外から認められたプラントイの展示が、アメリカでも注目されていました。



 

サボテンバランスゲームは、アメリカでも大人気! エジュケーションは、システムになった商品も単品も、これから
人気が出そう。
待望の、木製調理用具セットが発売される予定! 注目のエコ・ウッド製アルファベットは、ニュルンベルグでもエコトイに選ばれて、入り口に展示されたアイテムのひとつ。
真剣に商品選びをしているアメリカの小売店さんたち。アメリカの会場では、ほとんどの小売店さんが、その場で発注をしていきます。 パーキングガレージは、人気のロングセラーアイテム
会場の入り口に飾られたのが、この途方もない大きさのアイガミ・プロジェクト。高さが3メートル近くある巨大な棚自体が、アイガミのイチガミで全部作られているのです。その頑丈さにも驚きますが、棚まで作れてしまうアイガミの威力にも仰天。もちろん、飾られている作品も全てアイガミの作品です。来場者に注目されていました。

北米向けには、プレイスナップという名称で
再マーケティングされる予定のアイガミは、
今年新しいパケッジデザインで登場します。

簡単にパチパチと組み立てていくと、家具まで出来てしまうなんて、また楽しみ方が増えた気がします。作者のボアーズ氏に拍手。
NYの街から

ニューヨークっ子にも、観光客にも人気のMET Shop.
メトロポリタンミュージアムのショップです。その中に、
選りすぐりの玩具が置いてあります。
お目当てのメット・キッズは2階に。

プラントイのオーバルシロフォンとミュージカルバンドが人気アイテムとして
展示されていました。その他には、クラフト系のアイテムが
たくさん販売されていました。
ロックフェラーセンターの有名なスケートリンク。その真ん前に昨年オープンした、レゴショップ。レゴファンなら一度は訪れてみたいショップでしょう。店内は全体的にレゴパーツのイメージでデザインされ、照明器具もレゴの形。レゴによる大きな竜などの作品で飾られています。中央にある大きな柱の中には、様々な色のレゴパーツが販売用に収納され、カラフルなインテリアにもなっています。店内はティーンエイジャーや買い物客でにぎわっていました。専門店として、ニューヨークの新しい名所になっているようです。
気になる2011年の人気玩具は? 全米玩具協会が発刊している「トイフェアタイムズ」の記事をご紹介しましょう。玩具動向専門家のレイン・ライスさんによると、2011年の店頭に並ぶ玩具の予測としては、2010年の傾向を引き継ぎ、1.身体能力を高める玩具やゲーム、2.テクノロジーの影響、
3.ハンス・オン、クラフトへの関心、4.社会的認識、たとえば、環境に配慮した玩具から、環境について学ぶとか、グローバルな多国籍文化に接することのできる玩具などが大きな傾向として挙げられるそうです。また、アメリカの玩具では、特に大作映画の影響も大きく、カーズUやトランスフォーマー、パイレーツ・オブ・カリビアンなどの映画キャラクターにも期待が寄せられているようです。

また、NPDグループの景気分析家、アニタ・フレーザーさんは、アメリカの景気は緩やかながら回復に向かっており、不況の中でもともられる玩具とは、自分で工夫して作ることのできるクラフト製品や、親の立場から「エコ」を考えると、長く遊べる玩具が求められるだろうと予測しています。

華やかで、アメリカらしい賑やかなお祭りのようなトイフェアの陰で、昨年の売れ行きはどこも悪かったと小売店さんは一様に話していました。
回復に向かっているという今年に期待を込めて、新しい商材を求めて真剣に商品を選ぶ姿が印象的でした。

来年2012年は、2月12日から15日の開催となります。