ISTA/静岡自然を学ぶ会の交流会が開かれました
2006年3月4日、5日
於アイセル静岡
2006年3月4日・5日、アイセル静岡で開かれた
ISTA(科学芸術学際研究所)の先生方と、静岡自然を学ぶ会の交流会に参加しました

ISTAは科学芸術学際研究所、英語の正式名称をInterdiscipliary Institute of Science, Technology and Art という、NPO法人で、2004年に設立されました。弊社会長の前畑が会員になっており、形の会の科学会を始め、理化学研究所の研究者達も会員として、民間での科学・芸術の振興のためにボランティア活動をしています。www.npo‐ista.org/ 今回の交流会では、「かたちの見え方の法則」(脳が見る形の世界)、「動く錯視のいろいろ」、「流れの可視化方法」、「落語から本質をつかむ試み」という4つのお話があり、3次元の形を我々の脳がどのように認識するかまた、錯視の現象について、渦巻きをおこす実験などのワークショップが行われ、日頃不思議だと思っている現象を丁寧に解説していただきました。左の写真は、渦巻き現象を起こす装置です。アーチスト、冨岡雅寛さんの手作り装置です。

静岡自然を学ぶ会は、池上理恵さんという、静岡在住の方が中心となって17年前に発足し、現在全国に120名の会員がいます。
その名のとおり、自然を観察し、自然から学ぶという会で、もともとは、子育てをしながらのお母さん達が始めた会だったそうですが、今では、全国の理科の先生や、科学好きのお母さん達の、学びの場となっています。今回は、科学・芸術の専門家であるISTAの先生方と、双方で日頃の研究・勉強成果の発表をし合い、交流しようという、昨年に続いて2回目の試みです。大変活発な交流となり、2日間で全国から百人以上の参加者がありました。

ISTAと静岡自然を学ぶ会の共通のテーマ、「不思議の追求」が今回交流会という場で炸裂しました。二日間にわたって、「驚かせごっこ」のバトルが、アイセル静岡のアトリエを会場に、繰り広げられました。会場は楽しい笑い声と感動がいっぱいで、熱気がこもり、弊社から参加した3名は、じっくりとこの戦いを観戦させていただき、深い感銘を受けました。発表だけでなく、科学玩具の展示や、ガムランのワークショップなどもあり、私達も参加しました。写真は、会場での発表の様子、交流会の様子ですが、どの発表も、自分の『不思議』のテーマに真正面から取り組み、それをあきらめずに深く掘り下げた力作でした。発表の内容全てを、ここでご紹介できないのは残念ですが、生活の現場で、または、教育の現場で、そこまで「ふしぎ」のテーマと取り組んだか、という感動がいっぱいでした。「なぜ?」という素朴な疑問を大切にすることが、科学の心を育てるということがよく分りました。

それから、静岡自然を学ぶ会の皆さんが作った手づくりのおもちゃが、また素晴らしい!おもちゃは、大切だ、楽しさ、夢を子どもに与えることは大切だ、という信念で、
アッと驚く、思わず子どもが、にっこりする、「えーっ、どうしてこうなるの?」と思うようなオモチャがたくさん紹介されました。子ども達の驚く顔が見たいという一念で、そしておそらく、ご自分達も楽しいから、不思議なおもちゃ作りに励んでおられる会員の方々に、おもちゃの原点を教えていただきました。

ISTAの先生方のコメントは、「聞きしにまさるグループ!」静岡自然を学ぶ会のコメントは、「偉い先生方なのに、偉ぶらず、専門用語抜きで、皆にわかるように話していただき、また、私達の日頃の疑問に答えていただき、本当に嬉しかった」紹介していただいた手作りおもちゃは、「ビー玉の正八面体パズルとその入れ物」、「お散歩万華鏡」、「宇宙が見えるフィルムケース回し」、「ストロー楽器」等など。どの作品にも、子ども達を喜ばせよう、驚かせよう、という気持ちがこもり、子どもの夢をあきらめさせないぞ、という大人の願いがいっぱいのおもちゃです。子どもの心に寄り添うことの大切さを学んだ2日間でした。

交流会の最後には、静岡自然を学ぶ会の皆さん手作りのおもてなし。その手料理が、また、発明的・工夫的・芸術的そして、味覚も素晴らしく、参加者全員が、静岡の春の味覚を堪能しました。感動の2日間を、ありがとうございました。