福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館に行く機会がありました。素晴らしい博物館だと聞いていましたが、本当に見応えのある展示と内容でした。
卵型ドームの建物に入って、一階の恐竜の世界の展示室に入ると、青い空を背景にそびえ立つティラノサウルスの動く模型が吠えて出迎えてくれます。
首を振りながら、私の方を向いて大きな口を開けて吠えるティラノに思わず見とれて
いると、隣の親子の会話が聞こえてきました。
おかあさん:「ホラ、りょうくん、こんにちはって言ってるんよ!」
おとうさん:「アレ、目を合わせると食われるんちがうか?」
りょうくん(4才くらい、意外と冷静に見ている):「動けんの?」
おかあさん:「・・・。動くとみんなが怖がるさかい、動かんとお約束してんねん。」
展示の内容はかなり専門的なものも多く、例えばティラノサウルスの雄と雌の骨格の違いなどを
分かりやすく比較して展示してあります。全部覚えたら、恐竜博士になれそうです。
驚いたのは、90%実物の骨を用いて復元したという巨大なカマラサウルスの全身骨格。
一億五千万年も前、ジュラ紀の全長15メートルもある恐竜骨格の復元です。
アメリカのワイオミング州で2007年に発見されたものを、この博物館が2009年に購入、展示をしながら3年かかって復元したそうです。このような全身骨格の恐竜が40体以上展示され、その他にも千数百点の標本が展示してあり、環境展示という、当時の様子を再現した大型のジオラマや
映像もあって、恐竜の世界が満喫できます。地元福井県で発掘されたフクイサウルス、フクイラプトルなど一億2千万年も前の恐竜も発掘され復元展示されています。こんなにたくさん恐竜の種類があるとは、知りませんでした!
ユニークな卵型ドームの設計は、はじめ博物館が、柱のない構造体にしてほしい、という希望を出したことと、豪雪地帯のため雪害に遭わないような設計ということで、ドーム型になったそうですが、なるほど、体長15メートルもある恐竜の全身骨格を展示するのには、柱はじゃまですね。
そして、このドーム状の壁面にジオラマの遠景が写し出されて、効果的な遠近感を生んでいます。右の画像は、建物の中と天井の円型の部分です。
世界三大恐竜博物館のひとつに数えられるという福井恐竜博物館。
展示だけでなく、ダイノライブラリーもあり、「恐竜カレッジ」の講座も開講しています。
周辺地域には、かつやま恐竜の森、ジオパークもあり、恐竜の世界が広がっています。
世界に誇る恐竜の森、是非一度訪れてみてください!