6月15日、渋谷区総合文化センター大和田の3階、こども科学センター
ハチラボで開かれた、日本テセレーションデザイン協会主催のテセレーションの集い03に参加しました.これは、エッシャーの誕生日である6月17日にちなんで毎年その
近くの日程で開かれているもので、テセレーションの愛好家、研究者、デザイナー達が
集います.
今年は、会場となったこども科学センター・ハチラボで、4月23日から6月30日まで
テセレーション展を開催しており、この企画とタイアップして一般の方にも参加して
いただける素敵な会になりました.
会場の渋谷区総合文化センター大和田は、JR渋谷駅から徒歩15分ほどのところにある
総合文化センターというだけあって、プラネタリウム、ホールや音楽の練習室なども備えた地下1階、地上12階建ての立派な施設.その3階にこども科学センター・ハチラボがあり、奥には東京理科大学の数学体験館から貸し出している秋山仁先生の数学遊具が常設してあり、子どもたちが楽しそうに体験していました.
渋谷の駅前は、巨大な歩道橋が苦手な場所だけれど、この総合文化センターは羨ましい.静岡にもこのような施設がほしいなぁ、なんて思いました.
テセレーションの集い03は、午前中が発表、午後は展示を自由に体験してもらう時間.
弊社からは、ジェイ・ボナーさんのジオボールについて発表させていただきました.
というのも、イスラミックタイリングとテセレーションは関係が深く、どちらも幾何学から始まり、テセレーションであまりにも有名なエッシャーも、若い頃はアルハンブラ宮殿で幾何学模様のイスラミック・タイリングを熱心にスケッチして研究したということです.
これは、ジオボールの作者、ジェイ・ボナーさん、2012年タウソン大学での講演の様子です.弊社とのコラボでジオボール初版が発売されたのは、2010年のことでした.
そして、2017年には、ボナーさんが生涯かけて研究したイスラミック・タイリングの集大成、Islamic Geometric Pattern がSpringerから出版されました.
序文を寄せたのは、有名なサー・ロジャー・ペンローズです.ペンローズさんは、敷き詰め模様のペンローズタイルを発見した方として有名ですね、2020年にはノーベル物理学賞も受賞されました.
番号順に型紙のフラップをはめていけば、正確な多面体が出来上がるというジオボール、
2023年には、新装版が発売されました.テセレーションの集いでは、大人もこどもさんも、立体作りを楽しんでいただけました.手の中で立体が出来上がるのは、何となく嬉しいものです.それも、プラントンの正多面体5種類と、アルキメデスの半正多面体13個の、18種類もの多面体ができるのです! このようなアナログ体験から、幾何学が好きになるこどもさんもいるのではないでしょうか.
さて、テセレーションの集いには、たくさんのテセレーションが展示されました.
非周期タイリングのモノタイル、恐竜のタイルやおなじみT3パズルが磁石でくっつくようになっている白い壁に所狭しと並べられ、みなさんテセレーションを楽しんでいました.
話題となった「ハットパズル」を毛糸で作った小倉美帆さんの作品や、
立木秀樹先生のフラクタルについての発表やイマジナリーキューブのご説明もありました.また、向井宏志さん作の立体テセレーションモデルもテンプレートとともに展示されて、大勢の人がチャレンジしていました.
テセレーションの集い、参加させていただき、ありがあとうございました.
来年も楽しみですね!