チェーンに輪が結ばれて、落下しないという不思議なおもちゃ、ワンダーキャッチャーです。このおもちゃは、静岡自然を学ぶ会で初めて知りました。マジックのようで、何度見ても不思議と目をパチクリ。どうしてだろう、という真相をご家族で熱心に究明した方がいらっしゃいます。
静岡自然を学ぶ会の渡辺貴子さんです。彼女は、ご家族と一緒にプロセスを研究し、
写真に撮ったりして究明し、そのことを静岡新聞の『ふしぎ種』に2回にわたって
掲載されました。渡辺さんの了解を得て転載させていただきます。
『ふしぎ種』は、2006年10月17日から2007年12月25日までの間、『静岡新聞』火曜日の夕刊に、静岡自然を学ぶ会の有志によって連載されました。
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「リングキャッチャー」という手軽で楽しい遊びを紹介します。百円ショップで5センチのカードリングと、チェーンのつり下げ式名札(チェーンのみ使用)を購入して下さい。サイエンスレンジャーの野呂茂樹さんに教えていただきました。
写真1のようにリングの中にチェーンを通し、人差し指と小指にチェーンをかけ、親指と中指と薬指でリングを持ちます。そしてリングを離します。不思議なことに写真2のようにリングがチェーンに結ばれるのです。失敗すればリングが落下しますが、成功するとリングが宙づりになりまるで手品の様です。わが家では、家族でこの遊びにはまってしまいました。
成功のコツは、「リングを水平に保持すること。リングより、上のチェーンは斜め前方に出ていること。チェーンはリングと接していること」です。
八センチの大きなリングと、五キロ以下用の犬用チェーンの組み合わせでやったり、五センチのリングの数を二~五個に増やしたりすると、とてもかっこいいです。
なぜリングとチェーンが結ばれるのでしょう。
私は何度も繰り返して遊ぶうちにその秘密が知りたくなりました。そこで連続写真を撮影しました(写真3)。その結果は、驚きでした。
当初リングは回転して落ちて行くと思っていたのですが、違ったのです。まずはじめ横だったリングがチェーンにそって縦に落ちていきます。その時リングの落ちる勢いと、リングの重さから、チェーンの下が跳ね上がります。そしてその輪の中にリングが入り、リングの重みでチェーンが引っぱられ結ばれるということがわかったのです。
その後粘り強く撮影を続け、チェーンの下の方が自分の手前に跳ね上がった後、その輪の中にリングが入っていく決定的瞬間も撮影でいました(写真4)。
私は、科学や物理など無縁な人間です。それでも、子どもたちと夢中になって遊んだら、リングの結ばれ方や、回転の秘密がわかって、うれしかったです。
リングキャッチャーについて詳しく知りたい方は「先生はマジシャン3」(野呂茂樹署、連合出版)をご覧ください。渡辺貴子・静岡自然を学ぶ会
「静岡新聞」2006年11月21日、11月28日掲載分
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不思議発見をここまで究明するなんて、本当に素晴らしい、科学あそびのだいご味だと思います。是非試してみてください。
「静岡自然を学ぶ会」は、身近な自然や日常で感じる「ふしぎ」を探求し、自然科学を楽しむ活動を1989年から続けている会です。その活動の中から、1996年~2007年に『静岡新聞』に62回にわたって、自然・遊び・生活の中の発見を『ふしぎ種(だね)』というコラム名で連載し、好評を博しました。
この不思議な体験ができる商品、ワンダーキャッチャーは弊社でも取り扱っています。